テレビドラマは実に面白くない。
よって全くにちかいほど見ない。
でも例外はある。
『となりの関くん』
でもこれテレビドラマというには大きく難がある。
もともとはアニメだった。
いまはドラマをやめてもっぱらアニメを見ている。
こちらの方ははるかに面白い。
『のんのんびより りぴーと』
『わかば*ガール』
『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』
『食戟のソーマ』
『シャーロット』
『ベイビーステップ②』
などなど。
確かにテレビドラマがつまらないのは、まともな脚本を書ける知能集団がいないということだろう。
時の流れには時々こういう時期が発生することがある。
それに苦しんだ知能集団からビックリするほどの面白いドラマが生まれることがある。時の流れには時々こういう時期が発生することがある。
それに期待しよう。
『
現代ビジネス 2015年08月26日(水) 高堀 冬彦
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44917
TVドラマ低視聴率の原因は「脚本」にあり!
〜『HEAT』『エイジハラスメント』に見る世界観の決定的な古さ
■フジの足を引っ張る関テレ制作のドラマ
「最近のドラマ制作者はネット上の風評を異常なまでに気にする」
と、ある民放の幹部から教えられた。
ネット上の評判が悪いと、目に見えて視聴率が落ちていくからだという。
ネットの悪評に抵抗しようと、自分で「このドラマは面白い」などとツイッターで発信する制作者までいるそうだ。
まるでサクラだが、無数の声に抗うのは無理だろう。
ネット上での評判が悪く、視聴率も散々なのがフジテレビ系の『HEAT』(火曜午後10時)である。
7月14日の第2話で早々と3.9%を記録して以降、8月18日の7話まで2%台~4%台。
スポンサーは怒り心頭だろう。
このドラマの制作は系列の関西テレビで、フジは中身とは無関係なのだから。
やはり関テレが制作し、同じ枠で6月まで放送されていた『戦う!書店ガール』も低視聴率で、評判が悪かった。
最近の関テレのドラマは、復活を目指すフジの足を引っ張ってしまっている。
主人公・池上タツヤを演じているAKIRA(33)も怒っているのではないか。
AKIRAが良い役者なのは間違いない。
園子温氏が脚本を書き、監督した映画『ちゃんと伝える』(2009年)を見れば一目瞭然。
その演技は素晴らしかった。
父親(奥田瑛二)がガンと分かった矢先、自分も末期ガンの診断を下される男の役。
余命と向き合う男を見事に演じ、見る側の胸を揺さぶった。
『HEAT』の大惨敗はAKIRAの責任ではない。
■HEAT』の脚本が酷い
失敗の理由は脚本に尽きる。
そもそもドラマ、映画、演劇で一番重要なのは脚本。
たとえば、故・つかこうへいさんが書いた『熱海殺人事件』は高校の演劇部員たちが演じようが、ある程度は面白い。
だが、脚本が酷いと、どんな名優たちが演じても評価を得るのは無理だ。
申し訳ないが、『HEAT』の脚本も酷い。
AKIRAをはじめとする出演陣はむしろ被害者だろう。
『HEAT』の脚本には、シリアスなのかライトコメディなのか、はっきりしない面がある。
リアリティーも限りなくゼロに近い。
第3話では119番のイタズラ電話を繰り返す犯人の少年を、タツヤが所属する消防団の団員が簡単に突き止めてしまった。
あきれるほどの御都合主義だった。
人物像の描写も杜撰。
タツヤは不動産会社の社員で、都市開発を有利に進めるため、消防団に入る。
動機不純だったのだが、やがて良心が痛み始める。
消防団員魂が芽生えたことから、仲間や地域を裏切る都市開発にためらいをおぼえるのだ。
こう書くと不自然さはないが、ドラマ内ではタツヤの考え方がコロコロと変わりすぎる。
わずか約60分間の放送内で、冷徹な不動産業者になったり、熱いヒューマニストになったり。
どんな人間なのか、さっぱり分からない。
主人公の人物像が定まらなくてはドラマ全体が締まらない。
おまけに都市開発の描き方も実情とは違う。
また、消防団という古くて新しい格好のテーマを見つけながら、ストーリーは手垢まみれ。
消防団員たちを含めた地域住民が、AKIRAが勤務する不動産業者と都市開発を巡って対立するのだが、ありふれた設定だし、しかも時代錯誤だ。
バブル期の話にしか映らない。
現代の消防団員たちの日常を、淡々とリアルに描いたほうが面白くなったに違いない。
市民の日常はドラマにならないと思い込まれているが、それはプロデューサーの誤解か脚本家の力量不足に過ぎない。
事実、巨匠・山田太一氏の作品に登場するのは平凡な人々ばかり。
殺人事件も起こらない。それでも面白い。
■『エイジハラスメント』は時代遅れ
『HEAT』までは酷くないが、テレビ朝日『エイジハラスメント』(木曜9時)も低視聴率である。
8月6日放送の5話までの時点で8%台~9%台。
一度も二桁に届かなかった。
ネット上の声も厳しく、酷評が目立つ。
2週間ぶりの放送となった同20日の6話では7.7%にまで落ちてしまった。
このドラマの第一の問題点も脚本にほかならない。
主人公の商社OLを武井咲(21)が演じているほか、周囲を稲森いずみや要潤、杉本哲太、小泉孝太郎、麻生祐未、吹越満、竹中直人、風間杜夫ら豪華布陣で固めているのだから、出演陣に責任を求めるのは酷だ。
劇中では何度も「エイハラ(年齢を理由にした嫌がらせ)です」という実社会では使われていない言葉が飛び交う。
まずはエイジハラスメントという言葉を流行らせようとしたのだろう。
たが、テレビが圧倒的な影響力を誇っていた時代と違い、ドラマが意図的に流行語を作るのは無理だ。
計算が見え隠れすると、興ざめしてしまう。
武井扮する吉井英美里が吐く決めゼリフ「五寸釘ぶちこむぞ!!」も同じ。
浮いてしまっている。
「倍返しだ」(TBS『半沢直樹』)、
「私、失敗しないので」(テレ朝『ドクターX』)
のような流行語化を狙ったのだろうが、裏目に出た気がする。
英美里が全面的に応援する気になれないキャラクターなのも痛い。
その言動が型破りを超え、非常識に見えてしまうからだ。
失礼ながら、そもそも脚本の世界観が決定的に古い。
冒頭から、こんなナレーションが流れる。
「日本には昔から存在しながらも、あまり表面化されてこなかったハラスメントがある。
女性を年齢で差別する、あざ笑う、長く生きて円熟味が増すことが評価されず、美しい若さばかりが持て囃される。
そう、エイジハラスメントだ」
『HEAT』と同じく、時代錯誤を感じざるを得ない。
86年に男女雇用機会均等法が施行されてから30年。
法律が変わっただけでなく、コモンセンスも変化した。
もはや性別や年齢による差別心を持つ人は少数派。
視点がズレている気がしてならない。
商社、銀行、メーカー――。
いずれも実力主義の時代になっている。
経済と産業が急速にグローバル化し、性別や年齢で差別をしていたら、優れた人材が確保できない。
人材が得られても活用が図れず、国際競争には勝てない。
マスコミは海外との競争がほとんどないため、古い意識が一番残っている産業とされているが、よもやテレ朝の制作陣も脚本が実情に合っているとは思っていないだろう。
『エイジハラスメント』の舞台は商社だが、もしもこんな会社が実在したら、たちまち潰れてしまうだろう。
世間では年齢給を廃止する企業が相次いでいる。
その最先端を突っ走る日立製作所などは年功序列の完全撤廃すら目論んでいる。
グローバル化の足枷に過ぎないからだ。
ドラマとは逆にビジネス界では年齢や社歴の意味は乏しくなるばかり。
綿密な取材や実体験に基づいて書かれた池井戸潤氏らの企業小説が人気を集める中、このドラマの異質ぶりは際立つ。
「長く生きて円熟味が増すことが評価されず、
美しい若さばかりが持て囃される・・・」。
そんなことはないはずだ。
容姿が重んじられる芸能界にしてもそう。
AKB48は人気者だが、若尾文子(81)、吉永小百合(70)、岩下志麻(74)も評価しない人はいない。
故・山田五十鈴さん、故・沢村貞子さん、故・杉村春子さんも晩年まで大女優として尊敬を集めた。
『エイジハラスメント』で描かれているのは、ありもしない世界にしか見えない。
それなのに視聴者の共鳴を求めているように映る。
まるでインチキな団体が実態のない被害を主張し、同調を求めようとする構図に近い気がしてしまう。
■ドラマの肝は脚本!
ほかのドラマも全体的に低調気味。
日本テレビ『花咲舞が黙ってない』(水曜午後10時)が15%近い好視聴率を得て気を吐いているが、原作は前出・池井戸氏の小説。
現在のドラマ界の不振は、脚本に問題があるためと言わざるを得ない。
脚本家側に問題があるというより、ドラマ界による脚本家の発掘や育成の現状に難があるのだろう。
昭和期には山田太一氏や倉本聰氏、故・向田邦子さん、故・市川森一さん、早坂暁さんら巨匠と呼ばれる人が何人もいたが、今はそう呼ばれる人がほとんどいなくなってしまった。
ヒット作を書いた脚本家が過度に重用されて、執筆依頼が集中する傾向があるため、才能が食いつぶされている気もする。
ドラマ制作者が企画書を通そうとする場合、ヒット作のある脚本家の名前を記したほうが有利と聞くが、それでは中身が空っぽになりかねない。
新しい脚本家の発掘と育成の妨げにもなる。
高視聴率を得た役者を過度に追い求め、駄作が作られてしまう構図と同じだろう。
脚本家の待遇にも問題があるに違いない。
ドラマ界は脚本家が1クール(3ヵ月)の連続ドラマを書いたら、軽く1年以上は暮らせるくらいの報酬を用意するべきだろう。
次代を担う新人への援助も惜しまれるべきではない。
現状では原稿料以外に印税が入り、細かい仕事で雑収入も得られる小説家、漫画家らの方が厚遇に見える。
外部から新たな才能を招く必要もあるだろう。
役者の場合、演劇界から吉田鋼太郎(56)らがドラマ界に来て成功を収めた。
脚本家も劇団「大人計画」の宮藤官九郎(45)が請われてドラマ界に進出したが、ほかにも演劇界、映画界には卓越した才能の持つ脚本家がいる。
大ヒット中のアニメ映画『バケモノの子』も、なにより素晴らしいのは細田守監督(47)自身による脚本だと思う。
幼い子供が満足する上、大人の胸も突くストーリー。
ドラマ界に求められているのも優れた脚本だろう。
』
私はこれらのテレビドラマ作品を見ていないので、そうなのだろうかと思うだけである。
『最初からつまらないから見ない』
で、終わってしまっている。
『気ままにYouTube』に載っている「終了したドラマ」という欄をさらってみた。
確かに、最後に面白かったのはやはり
『ドクターX 外科医大門未知子』
ということになる。
あとは、ロクな作品ではない。
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